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水分補給から見る栄養管理

人間は、汗をかくと、そのぶん水分を失います。とくに、スポーツ選手の場合は、汗によって水分を失う割合が高く、夏の暑い時期に激しい運動を行うと、1日に10〜15リットルもの水分を失う人もいます。
 また、汗をかくと、体内に含まれていたミネラル分(特にナトリウムや塩素)も、汗と一緒に対外へ出て行きます。失った分のナトリウムを摂取しなければ、血液を送り出す心臓の働きが弱まるばかりでなく、運動能力の低下を招いたり、脱水症状を引き起こしてしまいます。
水分不足による脱水症状や、高温化の練習による熱射病から体を守るためにも、水分補給についての正しい知識を身につけておく必要があるのです。

何を飲めばいいの?
飲み物の中に糖分が入っていると吸収速度が遅くなることがわかっています。ただ何を飲めばいいかはそのスポーツ活動の時と場合によります。

★)高温多湿の環境のもとで運動する場合や、運動強度が高いために発汗量が多い場合などで水分補給が最優先される状況では、糖分の少ない飲料を飲んだほうがいい。

★)しかし発汗量が非常に多くなると、水分とともにミネラルも失われるため、この場合はミネラルを含むスポーツ飲料を飲んだほうがいい。

★)空腹の状態で運動をおこなう場合は、糖分を補給する目的で、主にスポーツ飲料を飲むとよい。

★)運動中はジュースやコーラなどの糖分の高い飲料は避けたほうがよい。

★)反対に運動を開始する直前に糖分補給をおこなう目的で飲料を飲む場合は、ジュースやコーラなどを飲むと長持ちする。

スポーツドリンクを飲む
練習中などの水分補給は水が基本となりますが、激しく大量に汗をかくとナトリウムやカリウムなどのミネラルやビタミンも失われることになります。市販のスポーツドリンクにはそれらの栄養素が配合されているので、状況に応じて飲むようにしましょう。

ただ飲みやすさを考慮して糖分が6〜7%ほど入っているものが多くみうけられます。体の最適な糖分の吸収率は2.5%といわれているので、これらのドリンクを2〜3倍に薄めて飲むようにするとより効果的です。甘さからくる喉の渇きも気にならないでしょう。

また筋肉の収縮にはミネラルが関係しているため、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどが不足すると筋肉のけいれんが起こりやすくなります。足がつりやすい、筋肉のけいれんを起こしやすい選手はこれらのミネラルをきっちりとっているかチェックする必要があるでしょう。


■水分補給の目安

運動時の発汗は、多量の体内の水分と塩分を喪失します。このため、発汗したまま水分補給をしないでいると、ひどい場合には脱水症状や熱中症を引き起こすことにもつながるので十分な注意が必要です。
理論値では、糖分3.5%、水温6〜13℃、一回に飲む量は200cc前後で、15分くらいの間隔で補給することが理想といわれています。

マラソンでは、5kmごとに水分補給ができるようになっていますが、時間にすると約15分間隔となり、理にかなっています。
また、野菜など食品に含まれる水分のほうが体内に入りやすいので、特に夏期は野菜や果物を多めに摂るとよいでしょう。
ただし、水分を多く摂りすぎるのは、運動能力の低下を招くので、その点にも注意をしながら賢く水分を補給しましょう。


■水分補給のテクニック

@練習の前で体重を量り、自分自身の発汗の量を知っておく

A目安として「のどが渇いたなあ」と感じる前に水分を摂る

B1回に約200ccずつ、糖分が2.5〜3.5%含まれている飲料水(=市販のスポーツドリンクの半分程度の濃さ)を飲む

C試合中でも、約15分に1回は水分を補給する

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